製作日記 '00.12.18〜'01.1.27

このページでは3月25日に公開されたI.D.K第11弾!
Door Version2001 (Door 過去への扉・完全版)
の完成までの製作活動記録を日記形式で紹介しています。



                 January,2000           


12/18 
いよいよ製作スタート!Door Version2001

上映会(12/3)の残務整理にも一区切りつき、やっと"Door Version2001"の編集に入りました。まず手始めに、オープニングの再編集、再録音を行いました。
"2001"の課題の一つに、上映時間の短縮というものがあります(アンケートにもありましたが、自主映画としてはかなりの長編、自分でも長いと思う)。また今回、全曲再録音を試みるのには理由があって、前バージョンでは音を取り込む際に重大なミスを犯しまして全曲、マスターよりも演奏スピードが遅い上に音質も悪いという悲しい結果になってしまったのです。主題歌の「GARDEN」にいたっては違う曲に聞こえる程の差が出てしまっていて、上映会の前日に応急処置的にとりなおしていたほどだったんです(低音がきつすぎるとの指摘もアンケートにありました)。
というわけで、新録音のサウンドトラックは全部時間が短縮される(というより前のが長かった)わけで、そうなると必然的に映像も短くしなければならないわけで、今日編集したオープニングに関しては、さらに曲(REVERSE)を短く編集したため、かなり印象が変わりました。音もめちゃくちゃクリアになってます。好後期待!


12/21 
再編集本格化!

"Door Version2001"の編集にようやく本腰を入れ始めました。今日はシーン@からHまでを再編集。その内容を以下に箇条書きしています(自分の記録のため)

@レイがバイクで去るラストカットを削除。スロー&フェードアウトを加える。
BGMはbuzZ-tと高岡さんの曲を複合技にしていた部分の、高岡さんの分をカッ  トし、buzZ-tオンリーに。画面の重厚感が強まった。15秒ほど短縮。
A入りの部分にフェードインを加える。つながりが唐突に感じた部分を解消。
B変更無し。
Cカイと初音の会話、カットを短めに、歯切れ良くさせた。
Dちょっと長かった竜次の語りを一部カット。15秒ほど短縮。
E竜次の回想を少しカット。BGMのタイミングが変わっていい感じ。音もいい。
以上。
こうした微妙な変更で、大きな変化を生むのが映画の面白いところです。



12/23 
編集記録そのB

"Door Version2001"本日の編集内容

I変更なし。
J落合殺害シーンの一部をカット。全体的に時間短縮。
K時間短縮。
M平沢のラストカットからシーン15にフェードイン。
N走るモノレールのバックに竜次のセリフをかぶせる。時間短縮。
buzZ-t本人から「ボツにして欲しい。」と言われていたBGMをカット。
このシーンの高岡さんの"告白"は実は本来サントラ用の曲ではなく、
"Fine Love"という歌入りのラブソングで、前バージョンでは歌が始まるまでのイ  ントロ部分をつないで使用していました。サントラ盤(発売中!)製作にあたって 新   たにインストバージョンとしてとりなおした物を、"2001"ではフル使用。
O前述のBGM変更。時間短縮。
P前バージョンでは音声のサイレント効果を生かすため、短く編集し使用していた 高岡さんの曲"FALLING DOWN RYUJI"をフル使用(本来高岡さんはフル使用を  想定してこの曲を作曲していました)。12/3のアンケートの"サイレントを使いす   ぎ"という意見を参考にしました(自分でも多いと思ってたので)。
Q12/3である一人のお客さんにツッコミを入れられてしまった、マッキ−が死んで  いるカットで、彼のノドがぴくぴくと動いている部分をスローを使って分かりにくくし  ました(他にも気づいた方がいらしたら、あれは"虫の息"状態だったと解釈して  くれるとうれしいです)。
前バージョンのこのシーン(バイクがらみ)の編集では、何度調整してもBGMが音  われしてしまって大変な苦労をしましたが、今回いい音に生まれ変わった同曲  (MURDER)を再録音してみたところ一発でクリア。今ごろ原因解明。
以上。



12/26 
"Door Version2001"本日の編集内容


<シーン13>
このシーンは映像的に気になっていた部分が多く(サユリの立ち止まり、竜次の缶コーヒー等)、大々的な変更を行いました。
カイと竜次の会話の大部分をカット。セリフの順序をも入れ替え、一部シーン12にかぶせたりもしました。かなりの時間短縮。
<19>変更なし。
<20>変更なし。
<21>変更なし。
<シーン22>
伊藤さんに幾度も「長い。」と言わしめた、サユリの過食シーンの再々編集。
前バージョンでも一度短くしているものを今回さらに短縮。
<シーン23>
ストーリー的に伝わりにくかったカイとサユリの会話を一部カット。時間短縮。
以上。

                



                 January,2000


1/4 
新メンバー初日"Door Version2001"追加シーン撮影

1/4"Door Version2001"撮影
昨年12月3日公開の"Door 過去への扉"を御覧になったお客さんの、この作品の解釈が大きく2つに分かれました(アンケート結果参照)。これは監督が意図したことでもあって我々としては嬉しい傾向だったのですが、今回の2001年バージョン制作にあたって、それを少しだけ一方に片寄らせる追加シーンを撮る事にしました。
今回の撮影から、新メンバーの山口大輔君が初参加(プロフィール参照)。映像初体験でありながら勘のいい演技を見せてくれました。
この日の名古屋は半端じゃない寒さで、"Door"の季節設定は春だというのに雪が吹雪いているという始末。仕方なく無理やり撮影を決行したら、突然快晴になったり又吹雪いたりで、結局"雪中バージョン"と"快晴バージョン"の2パターンをとる羽目になってしまいました。大輔くんは初日から極寒の中のロケという過酷な状況にもめげず、鼻をすすり震えながらも薄着で、昼ご飯を食べた直後にもかかわらず弁当をたいらげるなど、よく頑張ってくれました。撮影終了後ささやかな新年会。
(出演 水上明也、山口大輔、五島由紀恵/2シーン撮影。)


1/10 
"Door Version2001" 編集記録D

<シーン24>
大きな変更は無し。時間短縮。
<シーン25>
曲の新録音。高岡さんの"FALLING DOWN RYUJI"は2バージョンあり、前バージョンではその二つを編集して使用していましたが、サントラ盤収録の方に統一。
他、カットの入れ替えによる時間短縮。
以上。



1/12 
"Door Version2001" 編集記録E

<シーン26>
変更無し。
<シーン27>
ラストカット、注射器と竜次のズームを早めに変更。
<シーン28>
カイとサユリのロングショットにセリフをかぶせる。時間短縮。
レイ登場以降にかかるBGM"MURDER"の展開に画面を合わせる。


1/14 
"Door Version2001" 編集記録F

いよいよ"Door"の再編集も大詰めに差し掛かり、さすがに大きな変更点は少なくなってきました。

<シーン29>変更無し。
<シーン30>BGM"DRUG&APARTMENT HOUSE"再録音。
<シーン31>変更無し。
<シーン32>変更無し。
<シーン33>変更無し。
<シーン34>BGM"FOREST"再録音、画面と曲の展開をシンクロさせる。
後半のカイVSレイのアクションシーンではセリフとBGMのレベル調整に苦戦。
以上。


1/15
 "Door Version2001" 編集記録G

<シーン35>ラストのアクションシーン。カットを短く、テンポよく改良。
BGM"INSTINCT"再録音。


1/20 "Door Version2001" 編集記録H 前編完成!

前半部分の編集がようやく終了。前バージョンと比べてテンポがよくなり、全体的にすっきりとした印象になりました。結構見やすくなったのでは?

本日の変更点
シーン19(平沢とその女のからみ)をシーン11(落合殺害シーン)の後に移動。話の流れを分かりやすくしました。
シーン23(サユリが薬を受け取る)に使用しているbuzZ-tのBGMを、前バージョンでは途中でカットしていましたが全編に渡り使用。シーンの意味するところが強調された感じ。
オープニングのI.D.K.ロゴマークのアクションを複雑に改良。


1/21  
"Door Version2001" 追加シーン編集! 編集記録I
これまでは主に前バージョンを元にした改良を行ってきましたが、今日ついに1/4撮影の追加シーンの編集に入りました。
今回ネックになったのは何といってもよく降った雪。日記でもふれましたが撮影当日の不意の雪のせいで、同一シーンを"雪無し"と"降雪"の2バージョン"を撮影。
しかし当初の予定通り"雪無しバージョン"を採用することにしました。。
どちらでも問題は無いと思っていたのですが、イザ編集をはじめてみるとどうしてもワンカットだけ雪が写っているものがあり、これをごまかすのに四苦八苦しました。
この日記を読まなければ気づかない程度にはしたつもりなんですが...。
1/4は寒かった..。
雪からカメラを守るゆきえ

1/22 
"Door Version2001" 追加シーン編集の続き!編集記録J

昨日に引き続き、二つ目の追加シーン編集にとりかかりました。昨日は雪がネックになり大変でしたが、今日は今日で画面の暗さが問題となりました。冬のロケでこまるのは日照時間の短さ。1/4は、前半シーンの撮影が押してしまい、場面は昼の設定なのに撮影終了は5時を回っていました。冬の5時といえばもう夜も同然。実際つないでみたところ、映像上の時間経過は短時間だというのに、カットが変わる毎にどんどん暗くなってきている。苦肉の策で最後の方のカットは、音声のみを使用することにしました。あとは編集テクでどこまでごまかせるか(ごまかしばっかり)ですね。

すっかり夜の撮影現場




1/23  
"Door Version2001" 編集記録K

いよいよラストシーン。前バージョンのファイルを復元し再編集。このシーン最大のポイントはエンディングナレーションの変更です。
"2001年バージョン"製作のテーマは、ここにあったといっても過言ではないほどで、追加シーンもこのために作ったようなもですと言ったら大げさですが。
以前も述べましたが、このエンディングの変更により、両極端に分かれる作品のテーマの受け取り方が一方よりになる予定です。
前バージョン上映時(I.D.K.シアターVOL.4)にはアンケートで"主題歌が作品のテーマとずれている"、という意見があったのですが、"2001"は主題歌「GARDEN」(サウンドトラックアルバム収録)の解釈にかなり近づいたと言えるでしょう。


1/25 
苦闘!エンディングナレーション新録音

ついに終わりました。わずか数行のセリフに丸四日かかりました。
自分の舌の短さ、カツゼツの悪さをほんとに呪いました。
ナレーションが完成しないばっかりに、編集はストップ状態でした。
とにかく疲れました。今はほっとしていますが。


1/26 "Door Version2001" 編集記録L

いよいよ大詰めです。都のKDI NEWSのインタビューの一部をカット。
追加シーンの明るさ調整、音声レベル調整と細かい作業に入りました。


1/27 ついに完成!"Door Version2001"

ついにダビングを除くの全ての作業が終了しました。
Version2001は、オリジナルバージョンより3分短縮の100分ものに仕上がりました。
あれだけカットして3分とは、短いと思われるかもしれませんが、追加シーンを加えているので、実質的には結構変化を感じると思います。
3月25日(日)は、はじめての方はもちろん、前バージョンをご覧になった方はその変化を確認しにぜひともご来場下さい!

本日ついに、一ヶ月強、16日間に及ぶ"Door Version2001"の製作は終えましたが
一息つくまもなく、次は新作の脚本執筆に入ります。
まだまだ多忙な日々は続きます。明日はスタン・ハンセン引退!ドーム行きます。